• 図書館サイト
  • 美術館サイト
  • 利用者ポータル
  • サイト内検索
  • EN / 中文

中野裕介/パラモデル『かなたをよむ:海と空のあいだのP』

不知火美術館夏の企画展は、本×美術館!

中野裕介/パラモデルの個展『かなたをよむ:海と空のあいだのP』を開催します。

 本展では、書物やマンガ、古典芸能など古今東西のテキストや語りの言葉を猟歩し、創作を行う現代アーティスト中野裕介/パラモデルが、不知火美術館のために構想した新作を発表します。鉄道玩具のレールなどを素材に、空間をジャックするようなインスタレーションで注目されるパラモデル。今回は、「図書館とは世界の模型であり、世界は永遠に完成しない一冊の巨大な書物」と空想する中野が、不知火海や熊本にまつわる文学や芸能をリサーチして、複数の映像と巨大なドローイングを大胆に交錯させ展示室の空間全体を作品世界に変容させます。

中野は、自身の出身地・東大阪に生まれた「俊徳丸」伝説を十年以上追い続けている中で、かつての熊本で、盲目の人が琵琶をもち、門付けや神事、説教節などを語って移動し生計をたてていた「琵琶法師」と呼ばれる人々にたどり着きます。

 どの地域でも歴史の中で負った「傷」を、人々は時に芸に反映させ、時に哲学を生み出してきました。不知火海から生まれた石牟礼道子の作品は、水俣の負う傷と向き合う中から生まれています。石牟礼道子や肥後琵琶の語りを導き手に、テキストや風景の断片と自由に戯れる中野の眼差しを通して、アートも含む表現が、その土地の傷と対峙し生み出してきた創造力を感じ、考える機会となれば幸いです。

◎中野裕介/パラモデルによる本展のためのテキスト「夏の日の煙、よろぼう◇とされく△、かなたの断章」こちらよりダウンロードいただけます。(9/30up)

photo by Tomomi Takano


会期:2022年8月13日(土)~10月15日(土)

時間:9:00~18:00(土曜日は21時まで開館)

場所:不知火美術館展示室

料金:大人300円、高大生200円 ※中学生以下無料

※20名様以上団体は2割引き

※障がい者・戦傷病者の各種手帳の交付を受けている方及びその介助者の方は半額

主催:宇城市不知火美術館

協力:MORI YU GALLERY、株式会社WEST、肥後琵琶乃会、株式会社フジオ・プロダクション、松錦


■ 関連イベント ■ 

アーティスト トーク

中野裕介(本展アーティスト)が展示「かなたをよむ」について語ります。

日時:8月13日(土)11:00~12:00  会場:ブック&カフェエリア

料金:無料(事前予約優先)

ライヴ「かなたをきく」

展示空間の中で、琵琶奏者による語り物のライヴ演奏を行います。

日時:8月14日(日)11:00~12:00  会場:美術館展示室内

演奏:後藤昭子、岩下小太郎(ともに肥後琵琶乃会)

料金:無料(要展覧会チケット、事前予約優先)

ワークショップ「青いレールで空と海のあいだをつなごう」

美術館・図書館の地面におもちゃのレールで自由に絵を描きます。

日時:8月14日(日)14:00~16:00  会場:アトリエ(大)ほか

定員:小学生~大人 先着10名(小学4年生以下は保護者同伴)

料金:無料(要展覧会チケット、事前予約制)

ライヴ+トーク「かなたをきく・かたる」

展示空間の中での琵琶奏者による語り物のライヴ演奏と、中野とゲストによるトークを行います。

日時:9月11日(日)14:00~16:00 会場:美術館展示室内、ブック&カフェエリア

ゲスト:後藤幸浩(正派薩摩琵琶)、兵藤裕己(日本中世文学・芸能論)、西成彦(比較文学)

料金:無料(要展覧会チケット、事前予約制)

*各イベントは8月より予約開始予定

*日程及び内容が変更・中止になる場合があります。

■ アーティストプロフィール ■

中野裕介/パラモデル

1976年 東大阪生まれ。2002年 京都市立芸術大学大学院 絵画専攻(日本画) 修了。03年同大学の林泰彦とアートユニット「パラモデル」結成、メタフィジカルな「模型遊び」をテーマに多くの作品を発表。11~17年の図書館勤務を経た現在の個人活動では、描画やテキスト・空間表現を軸に、文学・哲学・マンガ・建築・郷土文化・古典芸能など古今の書物を横断し題材とする創作を続ける。単著に『まちがeる読み、iかれた挿し絵 中野裕介/パラモデル 2010-2020』(青幻舎 21年)。京都精華大学芸術学部教授。

近年の個展に、21年「まTiGerる読み、いかReた挿し絵」(高松市美術館/香川)、「まpがえる読み、yかれた挿し絵」(誠光社/京都)。ユニット名義の個展に、13年「パラの模型/ぼくらの空中楼閣」(銀座メゾンエルメス フォーラム)、グループ展に、14年「MOTアニュアル2014 フラグメント―未完のはじまり」(東京都現代美術館)、11年「世界制作の方法」(国立国際美術館/大阪)など多数。

TOP